未来へと続く扉を開ける……。

人生はあっと言う間に終わる。
けれど、それを実感することは、限りなく難しい。
誰も、終わりの来ない明日が、波のように止めどなく押し寄せて来ると思っている。
この世に生きる時間も、日数も、静かに
残り少なくなっていると言うのに。
さて、誰の人生にも扉がある。
人は気付こうと気づくまいと、次々と己の前にある扉を開けて、未来へと進んでいる。
目に見える扉もあるし、眼には見えない扉もある。
すんなりと、風の吹く木立ちの樹々の枝の様に開く扉もあるし、
まるで頑丈な鍵のかかったように、その扉が開かないこともある。
そうやって、迷路を右往左往する様に、人生は曲がりながら進んで行く。
今は、未来の見えない時代だ。
1人ひとりの未来のみならず、この日本の国の前にも、扉がたちはだかり、
この地球と言う星の前にも、扉が立ちはだかり、
そして、宇宙の前にも、扉が立ちはだかっている。
誰しも、未来を臨み、風のように目の前に、立ちはだかる扉を開いてゆきたい、
そう思うのに、目の前の、すぐ前の扉さえ、開いてくれない。
けれど、
真実を言えば、
扉は、風のように開く。
生きて行くこの世の、限りある持ち時間で、
扉は、開く。
頑丈で硬く、どんな力を持ってしても、
開かない気がする、目の前に広がる
重い鉄のような扉、
風のように、静かに、ふうわりと、
開く為の言葉を、
これから綴ってゆこう。
そして、未来を見渡す限りの高台に立ってみよう。
生まれて、この世界で過ごす、まばたきするまの、束の間の時間が、宝石のように輝くことを祈って、
目の前にある、扉ををます開ける
一陣の風になる……。